B型肝炎ウイルス|C型肝炎ウイルス:血液や体液の接触で病原体であるウィルスが感染する

大佐
肝炎ウィルスはあまり性病というイメージがなかったんだけど、調べてみるとセックスによる感染が多い病気だったんだ。

感染経路は血液感染なのでHIVと同じ、つまり予防法も同じってことだね。

性感染症というと、生殖機能部分にのみ影響を及ぼしたりするイメージがありますが、HIV(エイズ)のように、病気そのものが重病である、感染者の一生を左右する病気もあります。

肝炎ウィルスはA型からE型まであり、性行為で感染するのは主にA型、B型、C型肝炎ウィルスです。

A型は経口感染ですが、B型やC型はHIVと同じく血液や精液の接触で感染するので、性行為により感染するのでHIVとの重複感染が多くみられます。

その代表が、B型肝炎、C型肝炎です。

A型肝炎

感染経路:経口感染、性行為感染

症状:A型肝炎ウイルスに感染すると、発熱、倦怠感、下痢、食欲不振など風邪に似た症状がでます。

A型肝炎の発症は、急激で発熱頻度が高く、風邪に似た症状が1~2週間続いた後、黄疸が2~4週間ほど続きます。

症状は一過性で、慢性肝炎に移行することはなく、劇症肝炎になること殆ど無く1度の感染で永久免疫ができ、再感染することはありません。

潜伏期間:2~6週

特徴
高熱、全身倦怠感、食欲不振、黄疸
治療
急性期の対症療法(安静、点滴など)
予防
手洗い
手指を介して糞口感染するため、正しいコンドームの使用だけでは予防はできません。
ワクチンがありますが、CD4数が低い場合には抗体がつかない場合があります。

B型肝炎

感染経路:血液・体液を通しての感染、性行為感染

症状:B型肝炎は、再感染の可能性の無い一過性感染と慢性化の恐れのある持続性感染があります。

一過性感染とは、B型肝炎ウイルスに感染すると、1~6ヶ月間の潜伏期間を経て急性肝炎を発症します。

症状の程度は人により差があり、発熱・黄疸などの典型的な肝炎の症状のでる人もいれば、症状の全くでない人ももおり症状が出ない人が全体の7割を占めます。

健康な人が感染してもほとんどが一過性感染ですが、免疫力の低下した人が感染すると症状が出ないかわりにウイルスも排除されず体内にウイルスを保持したままの持続感染へ移行しこの状態はをキャリアと呼ばれます。

自覚症状は殆ど無く、あっても軽いためウイルス排除には至らず、約10%の人が慢性肝炎へと移行すると言われています。

潜伏期間:1~6ヶ月

B型肝炎は、血液、体液、などが感染経路になり、まれに唾液から感染することもありますが、かなりレアなケースで母子感染もしばしばみられます。

最近では、妊婦検診の際に感染検査(血液検査)が行われ、感染していても出産については母子感染を防ぐ手立てが取られており、出産も可能です。

体液から感染するため、予防にはコンドームが有効で、血液から感染するので、出血を伴うアナルセックスは感染リスクが高いです。

感染しても発症率が低いため、気づきにくいのも特徴で、発症した場合の症状は倦怠感や食欲減退、黄疸などで、慢性化することもあります。

まれに劇症肝炎になり命に関わることもあります。

治療方法は安静にしているだけで治ることもありますが、インターフェロンなどの薬物治療が主です。

慢性化、劇症化しないかぎりは、比較的穏やかな病気ですが、感染力が強いのが特徴です。

今は予防接種が出来ますので、パートナーが感染している場合は、予防接種を受けておくことをお勧めします。

一度抗体が出来ればほぼ再発はない病気なので、検査と予防接種が非常に大事な病気です。

特徴
最近は慢性化率の高い(10-20%)遺伝子型AのHBVの流行拡大が問題になっており、HIV感染者では慢性化率がさらに高いと考えられています。
治療
抗HBV薬内服(抗HIV薬との相互作用があるため治療時は専門医に相談しましょう。)
インターフェロン療法(注射)
肝庇護剤の内服、注射
予防
血液など体液に直接触れないようにしましょう。
ワクチンがありますが、CD4数が低い場合は抗体がつかない場合もあります。

C型肝炎

感染経路:血液・体液を通しての感染、性行為感染

症状:C型肝炎に感染すると、発熱、頭痛、食欲不振、関節痛など急性肝炎の症状が現れます。

症状が出ても軽いため気づかれず、7~8割の人が慢性肝炎に移行します。

慢性肝炎の放置は、初期慢性肝炎から後期慢性肝炎、さらには初期肝硬変から、後期肝硬変へと症状は徐々に進行していきます。

潜伏期間:2~16週

C型肝炎は、性感染症の割合はかなり低く、血液感染が主です。

B型肝炎同様、出血を伴うアナルセックスや生理中や傷の出来るような性交渉はリスクを高めます。

C型肝炎も自覚症状がないケースが多く症状が出ても軽いです。

しかし、B型肝炎との違いは、感染すると慢性化する確率が非常に高く、更に症状が進むと、肝臓がんや肝硬変に進みます。

治療はインターフェロンなどの薬物治療を行います。

特徴
急性肝炎ののち、20-40%は自然治癒しますが、その後は慢性肝炎となり、慢性C型肝炎の約30%は20-30年で20-25%が肝硬変に移行し、肝癌発生のリスクが高くなります。HIVとの混合感染では進行が早くなると言われています。
治療
インターフェロン療法(注射)、リバビリン(内服薬)の併用
肝庇護薬の内服・注射
予防
血液など体液に直接触れないようにしましょう。
現在、ワクチンはありません。

以上のように、重複感染する病気も症状が軽いため気づくケースがありませんので、HIV同様に定期的な検査を受けると良いでしょう。

どちらも血液検査で簡単に感染の有無が解りますので、自宅検査が可能なキットで調べてもいいでしょう。

B型、C型いずれの肝炎も感染は血液が主流、本人の自覚が無く広まるのが最大の特徴です。

血液感染は輸血だけではなく、タトゥーやピアス、乱暴な性行為など血が出る行為全般です。

早めに検査を受けることが何より大事です。

郵送検査